アネモネやミミ33のアクセサリーで人気のグロスエポシリーズ。繊細な金属フレームとつやのある表面が特徴のアクセサリーです。金属フレームの内側にエポキシ樹脂を流し込んだあと曲げの加工を行うという、世界で唯一の加工技術を持つ工場で職人たちが制作しています。
広々としたここがグロスエポの工場。グロスエポは、エポキシ樹脂という特殊な接着剤が使用されています。エポキシ樹脂にはとても多くの種類があり、豊富なカラーバリエーションが可能なのはもちろん、透明・半透明・不透明・マーブル等様々な表現をすることができます。
しかし、すべてのエポキシ樹脂が商品として使用できるわけではなく、種類を間違えると表面のぷっくりとした質感やツヤが出せなかったり、ひび割れたり枠から外れてしまうこともあります。たくさんのエポキシ樹脂の中から製品に合ったものを探すため、研究にはたくさんの時間と工程が必要となります。このエポキシ樹脂の研究を、愛情を持って40年以上重ねてきたグロスエポの工場にお話しを伺いました。
なぜフレームの中にエポキシ樹脂を入れようと?
「最初は金属の土台にエポキシ樹脂を塗ることから始まりました。しかし、奇跡が起きたんです!ある日誤ってエポキシを床にこぼしてしまいました。しかし、翌日こぼれたエポキシがとても良くて、そこから着想を得ました。金属フレームは彫金のテクニックとほぼ一緒ですが、そのフレームにはめ込む技術を形にするまでに、約5年もの歳月を費やしました。」
研究で一番大切にしていることは?
「高い好奇心と熱意を持ち諦めないことです。研究が形になり、新しい技術でお客さんを驚かせ喜んでもらえることが私達のモチベーションなのです。お店から追加をもらったり、たくさん売れたと聞くことがとても嬉しいんです。アネモネさんに宿題(制作依頼)を貰うのがとても嬉しいんです。商品を完成させたときの皆の“かわいい”の言葉と驚いた顔が何より嬉しいから。だから、いまも新しい技術を研究しています。」
「ミミ33のスプーンのような形のピアスでは特別な技術を使っています。5年前にこの技術のサンプルを作ってから研究を重ね、最近ようやく製品として形にできるようになりました。サンプルとして形が出来ても実はそこからが重要なんです。量産するには形を揃えないといけないから、そこをクリアできて初めて製品として完成なんです。」
ミミ33のピアスの技術はもちろん、アネモネのホールピンのレオパード柄も依頼して実現したアイテムの一つ。新しいアイテムを追い求め、高度な技術を駆使して提案してくださるグロスエポ工場。インタビューでは、長年研究を重ねてきた背景がありながら「大変だった」という後ろ向きな言葉を発することはなく、「どんなものが作れるのか」「お客様の驚いた顔が見たい」と、常に探求心に満ち溢れており、加工職人としての誇りを感じた機会となりました。