株式会社サン・フレイムは、腕時計の企画から製造、卸売販売すべてを行っている会社です。アネモネで人気の腕時計“グランジュール”もこのサンフレイムの会社から生まれています。台東区元浅草の自社ビルにある時計組立工房では、専門スタッフが丁寧に一つ一つ時計を組み立て、メイドインジャパンの腕時計をつくりだしています。
この度、メイドインジャパンの時計をつくるサン・フレイムの魅力を探るため、台東区元浅草にある時計組立工房を取材見学をさせていただきました。
精密機械を扱う組立工房は、機械にとって一番良いとされている室温24度に設定された空間。ここには総勢18名の専門スタッフがおり、1日に1600本、月に換算すると3万2千本もの時計が生産されます。時計本体に、チリやホコリが入らないように、スタッフは白いクリーンスーツを着用し、徹底した衛生管理のもと作業が進められています。
時計は様々な組立の工程を経て出来上がります。これはモジュール工程といい、腕時計の駆動をつかさどるムーブメントに、リューズを回す巻き芯を入れる作業。巻き芯の長さはミリ単位の調節が必要となります。リューズが飛び出さないように、サンプルに合わせてカットをするのも繊細な手作業です。
この後、ムーブメントはダイアル(文字盤)と組み合わされ、針の取り付けが行われてます。時針、分針、秒針は中心を合わせ、ダイアルに平行になるよう正確に取り付けるため、平衡感覚が必要な作業。感覚がある人だけができる重要な工程です。針同士はもちろん、ダイアルとも平行でなければ、針とダイアルが接触し時間の遅れの原因にもなるため重要な工程とも言えます。
針の取り付けは手作業でも行われますが、現在では最新機械の導入により針付け作業の効率化を計っています。針を台車において取り付ける針付け機では、モニターで針が平行になっているか一目で確認ができます。しかし、機械での取り付けも針が平行になっていなければ人の手で修正が行われるので、技術のある専門スタッフでなければ扱うことができません。
針の取り付けが行われたダイアルは、汚れや傷がないか隅々まで確認を行い、私たちがよく見る腕時計のケースの中へと収められていきます。
次に、リューズ付けの工程。ケースに傷がないか、指紋が付いていないかを確認し、ダイアルをケースに組み込み、リューズを付けます。0.2ミリほどの隙間をつくるのは、女性の爪が入っても問題なく回せるようにするためです。
裏蓋締めの工程ではテコの原理を利用。平等に力を加え締めます。これが終われば、24時間のランニングテストが待っており、時間がずれていないものが検品室へと流れます。
別フロアへいくと、10気圧までの防水検査の機械が。時計をのせた検査機の中に圧縮した空気を入れ、5気圧、10気圧に耐えたものが出荷可能となります。防水検査を終えた時計は、5気圧なら50メートル、10気圧なら100メートルの水深までいけるといわれています。
このように時計が出来上がるまでの組立工程をみると、緻密で繊細な作業が多く、専門スタッフの技術のたまものだと感じました。機械の進歩や工場の自動化により、様々なものが大量生産できる世の中になっていますが、サン・フレイムの工房のように、直接人の手を加えて出来ているものには想いがあると感じました。『メイドインジャパン』にふさわしい品質はここからうまれているのです。
また、工房から少し離れたサン・フレイムの本社内には、お問い合わせがきた商品に対して、迅速に、丁寧に対応しているアフターサービスセンターがあります。お修理をするデスクは高くなっており、作業しやすい形に。サン・フレイムでは、「時計が壊れたらすぐに電話を」と案内するという。ここでは、サン・フレイムの時計であれば、電池交換はもちろん、長年使用された物でもお修理受けてくれます。
「ホームセンターで購入した決して高くはない腕時計でも、お年寄りの方は大切に何年も使ってくれていたりします。愛着があるんだと思います。そんな想いを大切にしたいから、直してまた使って欲しいです。」
この、お客様に対する思いが、一つ一つ壊れた時計を蘇らせます。
今回の取材中、株式会社サン・フレイムの保野社長より、「決して高価ではない時計でもちゃんとしたものを作りたい。また、良いものを作るのには良い部品が手に入らなければ出来ない。うちは良い工場や取引先と繋がれたらこそ今良い物が作れているんです。」と、モノを作ることに対する感謝の言葉を聞くことができました。
この現場を訪れ、私たちサンポークリエイトもモノを生み出す会社として、責任と感謝を忘れないようにと改めて感じ、モノを大切にしたいという思いを深めさせて頂きました。
2月26日、27日から全国のアネモネ店舗でサン・フレイムの時計が別注時計が販売されます。ぜひお近くの店舗でご覧ください。